エステサロンを開業するには相応の経営知識が必要であり、エステティシャンの経験があるというだけで健全に運営することは難しいでしょう。

会計業務もその1つであり、日頃の収支管理や年度末の確定申告など、経営者として覚えなければいけないことがたくさんあります。

それら全てをこなすために勉強することも大切ですが、会計ソフトを活用すれば、あらゆる会計業務の負担を少なからず減らすことができます。

しかし、会計ソフトといっても様々な企業がサービスを提供しているので、今回のコラムで会計ソフトの基本的な知識や、選ぶ際の基準などについてお伝えしていきます。

現在のエステサロンでは会計ソフトが主流

具体的なメリットは後で詳しく解説していきますが、現在のエステサロン業界では会計ソフトの導入が当たり前といっても過言ではありません。

  • 伝票入力
  • 自動仕訳
  • 決算書作成
  • レジ連携
  • 金融機関連携

会計ソフトによって性能は異なりますが、ほとんどの場合は上記のような複数の機能を搭載しています。個人経営のエステサロンであれば、会計ソフトを活用することで、一連の業務を1人でこなすことも可能です。

エステサロンで会計ソフトを使用するメリット

エステサロンで会計ソフトを使用する具体的なメリットを紹介します。細かいことまで挙げるとキリがないため、今回は特に効果を実感しやすい項目に絞ってお伝えしていきます。

  • 会計作業の負担が減る
  • レジ作業の負担が減る
  • 計算ミスが減る
  • 誰でも簡単に操作できる
  • 財務状況を把握しやすい

会計作業の負担が減る

先ほどお伝えした通り、会計ソフトは様々な機能を搭載しています。必要事項の入力が自動化されることで、これまで一つひとつ手間をかけていた業務において、一気に工数が削減されるでしょう。

また、近年はAIの導入によって従来ではできなかった複雑な機能の自動化も進みつつあります。今後どんどんアップデートされることも踏まえて、会計ソフトの導入は必須といっても過言ではありません。

レジ作業の負担が減る

多くの会計ソフトはレジと連携することが可能です。

従来はレジ締めの際、現金やカードといった会計方法別に売上を計算し、レシートや伝票の整理などを手入力で行う必要がありました。1日あたりのレジ作業はそれほど時間がかからなくても、毎日行うと長い時間を費やすことになります。

ただ、会計ソフトとレジを連携すればそのような業務を自動化できます。1日の営業を終えた後に業務が1つなくなることで、経営者にかかる負担は大きく軽減されるでしょう。

計算ミスが減る

ただ工数を削減できるというだけでなく、正確さが上がり、計算などのミスが減るというのも会計ソフトのメリットとして挙げられます。

経験がある方ならイメージしやすいかもしれませんが、会計業務は細かい計算を必要とするため、後からミスが発覚して余計な手間を取られてしまうことが珍しくありません。

普段はなかなか実感できないかもしれませんが、こういった細かいミスをなくしていくことも、サロン運営を円滑にするためには重要なポイントです。

誰でも簡単に操作できる

会計ソフトを触った経験がない方は「自分でも上手く使いこなせるか不安」という悩みをお持ちかもしれません。多様な機能を搭載しているからこそ、抵抗が大きくなってしまう方もいらっしゃるでしょう。

しかし、実際に触ってみると会計ソフトの操作画面は意外にシンプルです。専門知識がない方でも、慣れるまでにそこまでの時間は必要ないでしょう。

ただし、全ての会計ソフトが使いやすいというわけではありません。中には経験者向けの複雑な会計ソフトもあるため、自分の知識に合った会計ソフトを選ぶことが重要です。

財務状況を把握しやすい

最後に挙げられるメリットは財務状況を把握しやすいということです。これも各データを自動でまとめてくれるからこその魅力です。

経営の基本ともいえることですが、健全なサロン運営を行うためには、細かい収支、あるいは支出など、サロンの財務状況を細かく把握することが不可欠です。

会計ソフトを導入すれば、使用者の任意のタイミングでデータを確認することができるため、自然と財務状況が頭に入っていきます。

会計ソフトにかかるコストは?

肝心の会計ソフトの導入にかかるコストについて解説します。

  • パッケージ型会計ソフト:20,000円~150,000円(買い切り)
  • クラウド型会計ソフト:2,000円~10,000円(月額制)

上記のように会計ソフトにはパッケージ型とクラウド型の2種類があります。いくつかの相違点がありますが、大きな違いの1つは料金形態です。

会計ソフトによって実際の金額には少なからず差異がありますが、パッケージ型は金額は大きいものの、一度購入すれば基本的に追加料金は発生しません。それに対して、クラウド型は一度に支払う料金は低いものの、毎月支払い続ける必要があります。

支払方法の違いとそれぞれの価格帯を理解した上で、会計ソフトを選ぶことが重要です。

会計ソフトの選び方

様々な企業から販売されている会計ソフトですが、どれが1番おすすめなのかは人によって異なります。今回は会計ソフトの選び方について解説するので、以下の項目を基準にいくつかの候補に絞り込んでみてください。

  • 操作は簡単か
  • 事業規模に合っているか
  • 実績・口コミは問題ないか
  • 頻繁にアップデートされているか
  • 無料トライアルが可能か

操作は簡単か

会計ソフトを初めて扱う方にとって特に重要なのが操作性です。

会計ソフトは基本的にシンプルな操作感のものが多いですが、前述したように、中にはある程度の専門知識がないと取り扱うことが難しいタイプもあります。

気になる会計ソフトがあれば、公式HPや動画コンテンツを参考に、実際の操作画面を比較してみることをおすすめします。

事業規模に合っているか

意外に軽視されがちなのが事業規模に合っているかどうかという点です。

会計ソフトには小規模な個人事業主向けのものもあれば、複数の店舗をまとめるための大規模な事業者向けのものもあります。

特にデメリットがないようであれば、許容範囲が広い大規模事業者向けの会計ソフトを選べば問題ありません。しかし、一般的にそのような会計ソフトは機能が充実している分、操作が複雑で慣れるまでに時間がかかってしまう傾向があります。

そういったことを避けるためにも、自分が思い描いているエステサロンの規模に合った会計ソフトを選びましょう。同じ会計ソフトでも複数のプランが用意されている場合がありますが、無理に高額なプランを選択する必要はありません。

実績・口コミは問題ないか

主要な会計ソフトは公式HPに導入企業や導入数の実績を掲載していることが多いです。大切な情報を管理する会計ソフトだからこそ、信頼に足る企業を選びましょう。

加えて、口コミを確認することも重要です。ネット上の比較サイトなどでは各会計ソフトの口コミや評価を確認することができるため、選ぶ際には大いに参考になるでしょう。

頻繁にアップデートされているか

例えば「(会計ソフト名) アップデート」のように検索すると、その会計ソフトのアップデート情報を確認することができます。アップデートの頻度が高いということは、それだけその企業が会計ソフトの精査に力を入れているということです。

反対に、アップデートの頻度が低いと最新機能に追いついていけなかったり、バグなどの不具合が発生するリスクが高まります。思わぬタイミングでトラブルに繋がるリスクがあるので、念のためチェックしておくことをおすすめします。

会計ソフトを導入してサロン運営の効率化を図りましょう

解説したように、会計ソフトを導入することは様々なメリットをもたらします。少なからず費用は発生するものの、自力で会計業務を行うことに比べると十分過ぎるほどの恩恵を得られるでしょう。

まずは本文でお伝えした会計ソフトの選び方を参考に、自分に向いていると思う会計ソフトをいくつかピックアップしてみてください。その中で各サービスを比較し、最適な会計ソフトを選びましょう。