エステサロンはお客様とコミュニケーションを取る機会が多く、接客態度はサロンの評価に大きな影響を与えます。そのため、エステティシャンを雇用する際は人柄を特に重視する必要があります。

ただ、美容業界はスタッフの定着率が低く、せっかく優秀なスタッフを雇ったとしても、長続きしないケースが少なくありません。

今回のコラムでは、そのような問題を回避するために、エステサロンにおける人材採用で重要なポイントを解説いたします。新しいスタッフを雇用しようと考えている方、採用活動がなかなか上手くいっていない方はぜひご覧ください。

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エステティシャンに向いている人物像とは?


スタッフを雇用する上で、まずはエステティシャンにふさわしい人物像を理解しましょう。一般的には以下のような人材が、エステティシャンに向いていると言えます。

  • お客様のことを第一に考えられる
  • 美意識・興味関心が高い
  • コミュニケーション能力が高い
  • 向上心が高い
  • 体力的にも精神的にもたくましい

お客様のことを第一に考えられる

接客によって顧客満足度を上げるためには、お客様のことを第一に考えられるホスピタリティが必要です。エステティシャンに求められる素養として、最も大切な項目と言っても過言ではなく、お客様と会話する中でも顕著に表れます。ホスピタリティがなければ、お客様に満足してもらうことは難しいですが、反対に一人ひとりのお客様に合ったサービスを提供することで、顧客満足度も自然と向上します。

コミュニケーション能力が高い

エステティシャンがお客様と会話をするタイミングは意外と多いですが、沈黙が続いてしまうと、お客様が居心地悪く感じてしまう恐れがあります。基本的にはエステティシャンの方からお客様に話しかけるべきであるため、一定以上のコミュニケーション能力を有していることが望ましいです。

ただ、中には静かに施術を受けたいというお客様も少なくありません。雰囲気を和らげつつ、そのお客様にとって最適な会話のリズムを掴む能力が必要になります。

美意識・興味関心が高い

高い美意識を持つ、美容に興味を持つということも、エステティシャンに求められる人物像の一つです。エステサロンに通うお客様の目的はきれいになることなので、施術するエステティシャンの身だしなみが整っていないと、不安や不信感を抱かれてしまう恐れがあります。日頃から美容に関する情報に敏感になっておくことで、お客様との会話も弾ませることができます。

向上心が高い

一度エステティシャンとして基本的な技術や知識を身に付ければ、施術を行うことは可能です。ただ、美容業界は最新の技術や情報の更新頻度が高いため、常に高い向上心を持っていないと、それ以上のスキルを身に付けることは困難です。将来的に部下や後輩の教育指導も任せることを想定する場合は、積極的に新しい知識を取り入れ、強い責任感を持てる人材が望ましいです。

体力的にも精神的にもたくましい

エステティシャンの主な業務といえば、施術やカウンセリングがイメージしやすいですが、他にも様々な重労働が伴い、決して楽な仕事とは言えません。体力が必要なことはもちろん、辛い業務をこなしながら常に笑顔でいる精神力も重要です。履歴書や面接という少ない判断材料の中で、正確に見極める必要があります。

エステティシャンに資格は必要?


エステティシャンは何か資格が必要なのかという疑問を抱いている人は多いですが、特に資格を取得しなくても、エステティシャンになることは可能です。エステティシャンに関する資格はいくつかありますが、それらは全て民間団体が発行している資格であり、取得が必須の国家資格ではないということを理解しておきましょう。

ただ、エステに関して全く知識や経験がない人材を雇うと、多大な教育コストが発生します。一方で経験者を雇う場合も高めに給与を設定する必要があるため、現状のリソースや予算を加味して、採用条件を設定しましょう。

スタッフを募集する時のポイント

理想的な人材を獲得するためにも、実際に募集をかける際には、以下のポイントを抑えておきましょう。

  • 適切な募集方法を選ぶ
  • 求める人物像を明確にする
  • サロンの特徴を理解してもらう
  • 人柄を引き出す面接を意識する

適切な募集方法を選ぶ

美容業界に限らず、現在は様々な募集方法が確立されており、例えば以下のような手法が挙げられます。

  • 転職サイト
  • ホームページ
  • SNS
  • 求人誌・求人広告
  • ハローワーク

主な募集方法としてはこれらが挙げられますが、中でも年々重要視されてきているのは、Web媒体です。例えば、転職サイトは利用者数が圧倒的に多いという点で優れていますが、必ずしも最適な募集方法であるとは言い切れません。

  • サロンの規模
  • 運営方針
  • 広告に費やせる予算

これらを踏まえつつ、自身のサロンに合った募集方法を選択しましょう。

雇用条件を明確にする

先ほど説明した通り、エステティシャンに求められる資質はある程度確立されていますが、効率的に採用活動を行うには、求める人材をさらに明確化する必要があります。

  • 年齢
  • 性別
  • 経験の有無
  • 資格の有無
  • 勤務可能時間

最低でも上記に関する条件は具体的に定めておくべきだと言えます。また、応募者とのミスマッチを回避するためにも、給与や福利厚生などの雇用条件は詳細に掲載することを心がけましょう。

サロンの特徴を理解してもらう

スタッフの定着率が悪い、長続きしないという悩みを抱えられている場合は、入社前後のギャップが大きい恐れがあります。短期間でスタッフが辞めてしまうと、サロンにとっても損失になるので、入社前にサロンのことをできる限り理解してもらい、カルチャーマッチを高めることが重要です。

対策としては、ホームページやSNSを活用し、サロンやスタッフの雰囲気を発信することが挙げられます。採用活動をスムーズにするだけでなく、集客率を高める効果もあります。

人柄を引き出す面接を意識する

一般的な面接はおよそ30分〜1時間で終了しますが、その短い時間の中で面接者の人柄を見極めるのは困難です。入社前後でサロンにギャップを感じるように、サロン側も採用したスタッフが思っていた人物とは違ったというケースも珍しくありません。

まずは緊張を和らげるアイスブレイクを心がけ、面接者の人柄を引き出す面接を意識しましょう。

採用後の教育方法


優秀な人材を獲得できたとしても、その後は効率的に教育していく方法を確立する必要があります。基本的には以下のような教育方法が挙げられます。

  • 研修・セミナーを受ける
  • 認定試験を受ける
  • 実践的なシミュレーション
  • 適度に面談を行う

研修・セミナーを受ける

エステサロンでも新人スタッフの教育指導は先輩や上司が行うことになりますが、外部機関が実施している研修・セミナーを実施することもおすすめです。各エステティシャン協会・団体のほか、エステマシンを製造している美容機器メーカーも定期的にセミナーなどを開催しています。見知らぬ人と接触することで、普段の業務では得られない刺激があり、飛躍的に成長する可能性があります。

認定試験を受ける

エステティシャンにとって資格の取得は必須ではありませんが、資格は一定の技術や知識を有していることの証明になり、お客様からの信頼度も上がります。

  • 日本エステティック協会
  • 日本エステティック業協会

国内ではこの二つの団体が主催する資格がメジャーになっています。スタッフのスキルアップのためにも、資格の取得を促すのは有効です。

実践的なシミュレーション

初めての施術は誰でも緊張してしまいます。失敗しても仕方のないことかもしれませんが、お客様から料金を支払ってもらう以上、サロン側は相応の価値があるサービスを提供する必要があります。

そのため、未経験のスタッフを雇用する場合は、何度も念入りにシミュレーションを行いましょう。施術の流れやエステマシンの操作方法を習得することはもちろん、時には上司や先輩がモデルとなり、実践的な練習をすることも大切です。

適度に面談を行う

一見楽しそうに仕事しているように見えても、入社したばかりの頃は悩みを抱えがちです。特にエステサロンのような接客業では、店内の人間関係だけでなく、お客様に関して何かしらのストレスを感じてしまうことも珍しくありません。定期的に面談を実施し、悩みや不安を打ち明けられる機会を設けましょう。

適切な採用戦略で優秀な人材を獲得しよう

エステサロンの採用活動は決して簡単ではないため、実際に活動を始める前に、十分な準備を整えておく必要があります。求める人材を理解するとともに、サロンのことを理解してもらうための対策を施すことで、余計な時間を費やしたり、選択を後悔するリスクを抑えることができます。

予算も踏まえながら緻密な採用戦略を立て、優秀なエステティシャンを獲得しましょう。

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