サロン運営を成功させる上で重要になるポイントの1つが店舗の内装です。脱毛サロンはマッサージサロンやリラクゼーションサロンとは通う目的が異なるため、空間演出にはあまり興味を持たない経営者の方も多いですが、脱毛サロンも美容サロンの1種であり特別な体験を求めている方も少なくありません。

お客様にしっかりと脱毛効果を感じてもらうことはもちろんのこと、日常では味わえない特別な空間を提供することで、サロンの価値をさらに高めることができます。

お客様の満足度を高め、また来たいと感じてもらうためには、こだわりのある内装であることが望ましいです。ということで今回は、脱毛サロンの内装について詳しく解説いたします。

脱毛サロンの内装で意識すべきポイント

脱毛サロンの内装を設計する上で、具体的には何を意識すれば良いのでしょうか。重要なポイントを解説していくので、一つひとつ確認してみてください。

  • 明確なコンセプトを持つ
  • 清潔感を持つ
  • 耐久性の高い素材を選ぶ
  • お客様のプライベートを確保する
  • 働きやすい間取りにする
  • 生活感を出さない

明確なコンセプトを持つ

内装を設計する上で最も大切なことと言っても過言ではないのは、明確なコンセプトを持つことです。

  • 非日常を味わえる高級感
  • リラックスできる落ち着いた空間
  • 気兼ねなく通える親しみやすさ

以上のように、脱毛サロンの方針によってコンセプトは様々ですが、一貫したデザインを意識することで、内装のクオリティは自然と高まっていきます。

天井・壁・床といった基本の構成材はもちろん、インテリアや照明にこだわることも重要です。また、色合いによって印象は全く異なるので、コンセプトのイメージに合わせた色味を一つ定め、それをベースにデザインしていきましょう

清潔感を持つ

どのようなコンセプトの脱毛サロンであっても、清潔感を欠かすことはできません。日頃からきちんと清掃しておくことは当然のことながら、スペースにゆとりを持つことでも清潔感を出すことができます。散乱した内装ではお客様に不潔な印象を抱かれてしまう恐れがあるため、物と物の間には一定の距離を空け、圧迫感を出さないことがポイントです。

また近年は、感染症対策がどの程度なされているのかを気にするお客様も非常に多いため、清潔感は更なる重要な要素となってきています。

耐久性の高い素材を選ぶ

脱毛サロンを長く運営していくことを考慮すると、壁紙や床材などは耐久性の高い素材を選ぶことが望ましいです。近年の建材はデザインはもちろん、機能面も多様化しており、防傷性・防汚性も向上しています。リフォーム業者に相談しつつ、長く使用できる素材を取り入れましょう。

お客様のプライベートを確保する

新規のお客様や、まだ通い始めたばかりのお客様の中には、まだ脱毛サロンを利用することに抵抗を抱いている人も少なくありません。気兼ねなく利用してもらうためにも、お客様のプライベートをしっかりと確保できる内装が理想的だと言えます。

例えば、カウンセリング室や施術室は完全な個室であることが望ましいですが、部屋数には限りがあります。同室で複数の施術が行われる場合には大きめのパーテーションを設置するなど、他のお客様が視界に入らないよう、工夫を施すことが重要です。

働きやすい間取りにする

内装を設計する際、第一に考えるべきはお客様が快適に利用できる環境を作ることですが、スタッフにとって働きやすい職場であることも大切です。疲労を軽減するためにも、作業導線を考慮した間取りを意識しましょう。また、業務効率の向上を図るために、十分に休憩できるスタッフルームを設けることが望ましいです。

生活感を出さない

比較的規模が小さい個人サロンを経営する場合には、自宅や賃貸マンションを拠点とするケースも多いです。コストを抑えるという意味でも非常に効果的な手法ですが、その場合の注意点は、極力生活感を出さないことです。お客様に特別感を感じてもらうためにも、既に解説したことを踏まえつつ、美容エステサロンらしい内装を作っていきましょう。

脱毛サロンの内装はどこにこだわればいい?

部屋数や広さにもよりますが、脱毛サロンの間取りはいくつかのスペースに分けられます。それぞれのスペースで大切なことを解説していくので、合わせてチェックしていきましょう。

受付

脱毛サロンの中で最も重要度の高い空間の一つが、受付です。お客様が来店して最初に足を踏み入れる空間であり、ここで第一印象が決まるといっても過言ではありません。サロン全体の中でも特に注力すべきスペースなので、大きなインテリアから細々とした小物まで、こだわりを持って備品を選びましょう。

カウンセリング室

カウンセリング室はお客様の要望や悩みをヒアリングする大切な空間です。そこまでの広さは必要ではありませんが、しっかりとプライベートを確保すると同時に、気兼ねなく話せる空間にすることを意識しましょう。全体的に落ち着いた色味に統一するほか、観葉植物を設置するなど、リラックスできる空間にすることがおすすめです。

施術室

カウンセリング室と同様、施術室もプライベートを確保することが重視されます。リラックスして施術を受けられるように優しい色味のものを多く設置し、照明も暖色にすることもおすすめです。

また、収納スペースも大切です。効率良く仕事ができるように、備品を多く収納できる棚などを設置するか、移動式のワゴンなどを用意しましょう。

パウダールーム

顧客満足度に意外に大きな影響を与えるのがパウダールームです。施術前後に着替えや化粧直しが必要になることもありますが、その際にはパウダールームの内装が重要になります。デザインにこだわるだけでなく、ドレッサーや洗面台も機能性が高いものを選びましょう。

スタッフルーム

スタッフがきちんと休憩できるように、スタッフルームも充実させましょう。ゆったりできるソファや、快適に過ごせる家電製品などを設置することで、居心地の良い職場環境だと思ってもらえるようになります。

内装工事の費用はどれくらいかかる?


脱毛サロンの内装にかかる費用相場は、坪単価およそ20万〜40万円程度で、仮に20坪の物件の場合、トータル費用は400万〜800万円ということになります。

諸条件によって少なからず差が生まれ、例えば、賃貸マンションはそもそも大がかりな工事が困難であるため、費用は自然と安くなります。一方でスケルトン物件の場合、ほぼ何もない状態から改装する必要があるため、どうしても多額のコストが必要になります。
※スケルトン物件=コンクリート打ちっぱなしの状態のこと。居ぬき物件の反対の意味。

また、物件によっては配管や電線のようなライフラインから整備しなければいけません。それだけでもおよそ200万円ほどかかってしまうため、少しでも予算を抑えるには、物件選びから慎重に取り掛かりましょう。

内装費用を抑えるコツ

最後に内装費用を抑えるコツをより詳しく解説していきます。以下の点を押さえながら準備を進めましょう。

  • 内装業者や工務店に発注する
  • 居抜き物件を選ぶ
  • 優先順位を見極める

内装業者や工務店に発注する

改装は当然プロに依頼することになりますが、おすすめは内装の専門業者や工務店に発注することです。デザインの設計から実際の施行までワンストップで行ってくれるので、手間もコストも軽減することができます。

また、その際は複数業者から相見積りを取ることが重要です。少しでも改装費用を抑えることで、その他のインテリアや運営費用に予算を回すことができます。

居抜き物件を選ぶ

テナントを借りて脱毛サロンを開業するケースも多いですが、スケルトン物件は一から内装を設計する分、コストが高くなってしまいます。自由に設計できるというメリットがあるものの、予算に余裕がない場合にはおすすめできません。

一方で比較的リーズナブルに改装できるのが居抜き物件です。居抜き物件とは以前入っていたテナントの設備がある程度残っている物件のことで、それらを再活用することにより、改装費用を抑えることができます。

優先順位を見極める

脱毛サロンの内装でこだわるべきポイントは多数ありますが、予算には上限があります。一通り必要なコストを挙げた後、各費用に優先順位を付け、それに合わせて予算を振っていきましょう。

基本的に優先順位が高いのは、お客様が直接見たり、触れたりする機会が多い箇所です。予算内に収まらなかった項目は一度保留にし、余裕がで次第、あらためて徐々に手を加えていくという選択もおすすめです。

お客様の満足度を高める内装に!

脱毛サロンの内装によってお客様の満足度は大きく異なるため、リピート率に直結すると言っても過言ではありません。細かい部分までこだわり、明確なコンセプトを持った脱毛サロンを目指しましょう。

ただ、満足のいく内装を作るにはその分コストがかかります。今回のコラムでも費用を抑える方法は解説しましたが、適切な方法は各々の状況によって異なるので、専門家に相談することもおすすめです。