エステサロンを開業するまでには非常に多くの準備が必要です。その中で後回しになってしまいがちなのがサロンオーナー様の名刺。

個人店だから名刺は必要ないと考える方もいますが、そんな事はありません。エステはお客様とのつながりが非常に強い業種です。開業に間に合うように名刺も準備しておきましょう。

今回は、エステサロン開業にあたって、名刺作成のポイントや知っておきたい注意点などを解説していきます。

エステサロンで名刺を作成するメリット

ビジネスの中では名刺は、無くてはならないツールの一つです。これはエステサロンでも例に漏れません。

エステサロンで名刺を作成するメリットについて詳しく説明していきましょう。

  • 信頼度を高める
  • リピーターの獲得をサポートしてくれる
  • 会話のきっかけになる
  • ビジネスの成長を助長してくれる

信頼度を高める

お客様の肌に直接触れ、プライベートなお悩みにも寄り添って解決へ導くのがエステサロンの役割です。お客様に信用していただけなければ、当然悩みは引き出せませんし、肌に触れられることに不快感を覚える方もいらっしゃるでしょう。

施術前のカウンセリング時に、名刺とともにご挨拶を行い、自分自身がどんな経歴なのか、どんな資格があるのかなどをしっかりと伝えてください。どんな人物なのか理解していただくことで、安心して施術を受けていただくことができます。

リピーターの獲得をサポートしてくれる

初めて行く美容室で、担当してくれた美容師さんの名前を覚えているでしょうか。サロン名は覚えていても美容師さんの名前までは覚えていないという方がほとんどでしょう。

これはエステサロンでも同様です。いくら口頭で名前や連絡先を伝えても全てを正確に覚えてもらうのは不可能に近いでしょう。

お客様に自分自身と店舗の情報をまとめた名刺をお渡しすることで覚えてもらいやすくなります。来店後に満足していただけたら、名刺をきっかけにご連絡いただいたり、次の予約やご紹介に繋がる可能性もあります。

会話のきっかけになる

資格や経歴などアピールになる項目があればぜひ名刺に記載しておきましょう。

名刺をお渡しした後に、飲み物や施術の準備をする時間を設けて名刺に目を通していただけるような段取りにすると、名刺がコミュニケーションのきっかけになってくれることも

初めての来店で緊張しているお客様の気持ちをほぐすのもエステティシャンの腕の見せどころです。来店から施術までの流れを想像して、名刺を活用してください。

ビジネスの成長を助長してくれる

サロンオーナーとなれば、日々接するのはお客様だけでは有りません。さまざまな美容メーカーの担当者、他の店舗のオーナーなど多くの方とご挨拶を重ねる機会が増えます。

どんなことがきっかけになり、サロン経営に役立ってくれるかわかりません。名刺はビジネスを成長させるために大切なアイテムですのでこだわって作成しましょう。

名刺に記載する項目は?

では、名刺にはどんな項目が必要なのでしょうか。基本的な項目は以下の通りです。

  • 名前
  • 役職
  • サロン名
  • サロン住所
  • 電話番号
  • 営業時間・定休日
  • その他連絡先
  • SNSのQRコード
  • 公式サイトのURL

SNSアカウントがあれば、ぜひ記載しておきましょう。その場でフォローしていただけるようにプレゼントやサービス、割引などフォロー特典を準備しておくと、来店後も継続的な情報発信を行えます。

関連記事:個人エステサロンの集客方法!ホームページやSNSを活用しよう

その他、必須ではありませんが、差別化を図るのであれば、以下の項目を記載するのも良いでしょう。

  • 自己紹介
  • 資格
  • 経歴
  • 趣味

美容に関する資格はお客様の信頼を高め、自己紹介や趣味は会話のきっかけになったり、興味を持っていただくことに繋がったりするかもしれません。

名刺をお見送りのときにお渡しするのであれば、手書きでメッセージを記入できるようにしておくのもおすすめです。

エステサロンでの名刺デザインのポイントは?

前述した通り、名刺はビジネスシーンで顔と言われる程、重要な役割があります。インターネットで検索すると多くのテンプレートが出てきますが、以下のポイントに気をつけて選択しましょう。

  • 店舗のコンセプトに合わせる
  • 美容業がイメージできるようなデザインにする
  • 素材や印刷方法・形にこだわる
  • 裏面も利用する

店舗のコンセプトに合わせる

エステサロンの開業準備では、コンセプトやターゲットに合わせて、店舗づくりやメニューの作成を行います。

もちろん名刺にもコンセプトやターゲットを反映させてください。

例えば、男性向けにエステメニューもある脱毛サロンをオープンすると想定しましょう。ピンクやハートマークが盛り込まれた可愛らしいデザインよりも、シンプルなものの方がお客様には好まれるかもしれません。

「エステサロン 名刺」で検索すると多くのテンプレートが出てきますが、そのまま使用するのは避け、できれば自分のサロンらしさが伝わるデザインを制作しましょう。

美容業がイメージできるようなデザインにする

前述した通りターゲットによりどんなデザインにするのか異なりますが、どんなサロンでも共通しているデザインがあります。それは美容業をイメージするようなデザインを意識することです。

例えば、原色や蛍光色を活用し情報を盛り込むと、量販店のチラシのような印象になってしまいがちです。コンセプトによりますが、色合いやフォントを選択する際には上品に仕上げることを意識しましょう。

素材や印刷方法・形にこだわる

エステサロンに訪れるお客様は、「今よりもっと素敵になりたい」と美容感度の高い方が多いです。そんな方が”ダサい”名刺を見たときに店舗のイメージが下がることは避けられません。

デザインはもちろんですが、用紙や印刷方法など細かな部分にもこだわってみましょう。

マットな表面加工を行ってみたり、ロゴだけカラーにしてみたりなど、一工夫を加えるとセンスを感じてもらえるようなデザインに仕上がるかもしれません。

他にも形に工夫を凝らすのもおすすめ。名刺は、通常長方形のものがほとんどですが、お願いすれば特殊な形状で切り抜くことも可能です。

ただしあまりに大きすぎるサイズのものや変わった形のものは、お客様が管理しにくくなります。どんな形でも財布やカードケースにしまえる程度の大きさを目安にしましょう。

裏面も利用する

店舗や個人のアピールをするために、情報を詰め込みたくなる気持ちは分かりますが、表面だけに全て記載するのは避けてください。

お客様にとって見やすく、必要な情報を届けるためには余白は重要な要素です。表面と裏面をどう使い分けるか考えながら、デザインを行いましょう。

名刺を作るときの注意

項目やデザインのコツについてお伝えしましたが、作成する際に気をつけたいポイントも押さえておきましょう。

  • 個人事業主の場合、取締役という肩書きはNG
  • 自宅サロン=個人情報だということを忘れない
  • コストが高すぎる名刺は避ける
  • 名刺デザインはプロにお願いするのもおすすめ

個人事業主の場合、取締役という肩書きはNG

「代表取締役」や「取締役」という肩書は個人事業主では使用できません。取締役会が置かれている企業のトップ陣のみ使うことができると会社法で定められています。

オーナー兼エステティシャンであれば「代表」「オーナー」などの記載がおすすめ。施術分野を分担しているのであれば、施術内容に合わせて「セラピスト」「ネイリスト」「美容カウンセラー」などと記入しておきましょう。

自宅サロン=個人情報だということを忘れない

自宅サロンをオープンする場合、店舗の情報=個人情報ということを忘れてはいけません。

詳しい番地や自宅の固定電話、プライベートのSNSアカウントなど個人が特定されるような情報は避けた方がベターです。

コストが高すぎる名刺は避ける

紙質や印刷方法にこだわるのは重要ですが、あまりに凝ったデザインは料金が高くなります。名刺はずっと使用するものです。移転や店舗の状況に合わせて、変更する可能性もあることを念頭に置いてください。

デザインや加工はこだわりだすとキリがありませんので、予算を決めて作成すると良いでしょう。できる限り何社かから見積もりを確認し注文先を決定しましょう。

加えて、複雑な加工がしてあると納品までの時間にも影響を与えます。料金とともに納期目安を教えてもらえるとトラブルを防止できます。

名刺デザインはプロへお願いするのもおすすめ

お伝えした通り、名刺一つといっても、押さえておきたいポイントが多くあります。必要な情報をセンスよく記載するためには、デザインの知識も必要です。思い切ってデザイナーに依頼するのも良いでしょう。

自分の中での希望を固めて、打ち合わせで伝えれば、プロ目線でデザインを仕上げてくれます。印刷会社にデザインを依頼すれば、デザインから納品までワンストップで依頼可能です。

ただしデータの誤りがないように、校正については念入りに最終チェックを行ってから印刷するようにしてください。

エステサロン開業する前に名刺を作成しよう


名刺には、信頼度を高めたり、リピーターの獲得を手伝ったり、ビジネスの成長を助長してくれたり多くの役割があります。

「個人店だからショップカードだけでいいのでは?」なんて思わず、オーナーであればぜひこだわりの詰まった名刺を作成してみてください。