美容クリニックでの勤務がメインとなり、一般病棟に属する看護師とは業務内容が大きく異なる美容看護師。働き方が多様化しつつある昨今、以下のような幅広いキャリアの選択肢を検討している方も多いのではないでしょうか。
- 美容看護師として長く活躍し続けたい
- 将来一般病棟への転職を考えている
- いずれは異業種に転職してみたい
今回のコラムでは、美容看護師のキャリアプランについて詳しく解説していきます。妊娠、出産といったライフステージの変化を経た働き方についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次美容看護師の求人に年齢制限はある?
美容看護師の求人に明確な年齢制限を設けることは原則禁止されています。しかし、「若手の活躍を応援する職場」というように、将来性のある若い人材を求めていることをほのめかす文言を盛り込むクリニックも少なくありません。
書類選考の段階で不合格となりやすいものの、年齢を重ねた美容看護師が上記のような求人に応募することは可能です。スキルや熱意を評価されて採用されるケースも十分考えられます。自分にとって魅力的な求人であれば、ぜひ応募を検討してみてください。
また、高齢化社会の影響もあり、美容医療は「歳を重ねても美しくいたい」と考える年配者の方にとって需要の高いサービスとなりつつあります。
40代以上のお客様の中には、若い美容看護師よりも自分と年齢の近い看護師に担当してもらう方が気を遣わずに済み、安心して治療を受けられると考える方も少なくありません。
豊富な人生経験を生かして、若者だけでなく40代以上のお客様の悩みにも寄り添えることから、年齢を重ねた美容看護師が重宝されるクリニックも多いです。
このように、美容看護師に年齢制限はなく、年齢を重ねた方が美容クリニックで長く活躍するチャンスは十分にあると言えます。
美容看護師が長く活躍する難しさとは?
美容看護師は年齢に関係なく活躍できる職業である一方で、以下のような点で苦労しやすく、長く活躍するのが難しいという側面もあります。
- 体力的な負担が大きい
- 大きなストレスを抱える可能性が高い
予約が絶えない美容クリニックでは特に、美容看護師は手術の準備やサポート、機械を使った施術などを慌ただしくこなすことが求められます。歩き回ったり長時間立ったまま業務を行うシーンも少なくありません。体力的な負担が大きい職種であると言えます。
クリニックによって異なりますが、美容看護師は以下のようなストレス要因にさらされる可能性があります。精神的に強いストレスを抱えながら勤務を続けることができず、離職してしまう方も少なくないようです。
- 上下関係が厳しい
- 無理な営業ノルマを課される
- お客様のクレームに対応しなければならない
美容看護師におすすめのキャリアプラン
ここからは、美容看護師におすすめしたいキャリアプランについてご紹介していきます。自分の人生設計や目標に合わせて、最適なキャリアを見つけてください。
- 大規模の美容クリニックで昇進する
- 一般病棟に転職する
- フリーランスの美容看護師になる
- 経験を生かして別の業界に転職する
大規模の美容クリニックで昇進する
1つの美容クリニックで長く働いて経験を積み、昇進を目指すキャリアプランです。
全国に展開する大手のクリニックや複数の店舗を持つ中規模のクリニックでは、教育担当や主任、部長といった役職を設けていることが一般的です。長く働いて昇進試験を受けたり業務内容を高く評価されたりすることで、キャリアアップを目指すことができます。
美容クリニックで勤務する看護師は、一般的な病棟に勤める場合と比べて早く昇進しやすい傾向にあります。役職に就くと業務に対する責任は大きくなりますが、マネジメントや採用といった新たな業務にやりがいを見出したり、収入アップを実現させることも可能です。
一般病棟に転職する
若いうちは美容看護師として働き、年齢を重ねたら病棟看護師として一般病院で勤務するというキャリアを検討する方も少なくないようです。
病棟看護師には常に患者様の命と向き合う責任感が求められますが、医師や薬剤師と共に患者様を救う、患者様の回復を一緒に喜ぶといった価値を見出せる瞬間も多くあります。
病棟看護師の場合、年齢によって転職が不利になることは少ないです。一般病棟では慢性的に看護師が不足していることもあり、美容クリニックから一般病棟への転職は比較的容易な傾向にあります。
一方で、美容看護師と病棟看護師では業務内容が大きく異なることに注意しなければなりません。基本的に、美容看護師の実務は臨床経験、つまり一般病棟における実務経験とはみなされません。
一般病棟での業務から長く遠ざかっているブランクの大きい方や、病棟で勤務した経験がない方は、スムーズに業務を進められず苦労する可能性が高いです。
フリーランスの美容看護師になる
正社員やアルバイトとしてクリニックに雇用されるのではなく、フリーランスの美容看護師として働くことも選択肢の1つです。フリーランスとして働くと、税金の申告を自ら行わなければならないだけでなく、安定した収入が保証されません。一方で、以下のようなメリットがあります。
- 裁量をもって勤務スケジュールを決められる
- 美容看護師として働きながら副業できる
- スキル次第では正社員より高収入を目指せる
近年は、フリーランスのアートメイク看護師として活躍する方が増えてきています。アートメイク看護師とは、眉やリップ、アイラインなどをインクで着色し、洗っても落ちないメイクを施す看護師のことを指します。
アートメイクは医療行為であるため、医師の指示のもとでないと実施することができません。美容クリニックと業務委託契約を結びながら働く必要がありますが、高いスキルを身につけて指名をたくさんもらえるようになれば、高収入を目指すことも可能です。
経験を生かして別の業界に転職する
美容看護師としての経験は、美容業界以外の職業への転職にも生かすことができます。別の業界へ進む場合の代表的な例として、美容クリニック専門の転職エージェントとして活躍する道が挙げられます。
転職を検討している方へ、アドバイスやサポートを行う転職エージェント。美容看護師としての実務経験を通して、医院が求める人材や業界の事情に精通していれば、美容クリニックへの転職を希望する方に有益なアドバイスができます。
美容看護師とは全く異なる業務を担うことになりますが、転職という大きな決断をする方をサポートするという新たなやりがいを見出すことができるでしょう。
美容看護師の妊娠・出産後の働き方
妊娠や出産といったライフイベントを控え、美容看護師としてのキャリアを続けていけるのか気になるという方も多いのではないでしょうか。ここからは、美容看護師の妊娠、出産後の働き方についてご紹介していきます。
基本的に夜勤がなく、人員も比較的充足している美容クリニックは、産休や育休といった長期休暇を取得しやすい傾向にあります。同僚の理解も得やすく、以下のような不測の事態に対して柔軟に対応してくれるところが多いようです。
- 妊娠中の急な体調不良
- 子どものお迎え
- 急な早退・欠勤
勤務するクリニックによって差はありますが、美容看護師は妊娠、出産を経てもキャリア形成がしやすい職種だと言えます。
美容看護師のキャリアアップに必要なスキル
美容看護師としてキャリアアップを目指す方は、以下のスキルを身につけることが重要です。
- 接遇・カウンセリングスキル
- 最新トレンドの把握と情報発信力
- マネジメント・組織運営能力
接遇・カウンセリングスキル
美容看護師のキャリアにおいて、売上に直結する「接遇・カウンセリングスキル」は欠かせません。単なる施術の提供に留まらず、患者様の悩みを深く聞き出し、最適な施術やドクターズコスメを提案する力が求められます。
高い成約率はクリニックへの貢献度として評価され、昇進やインセンティブに直結します。信頼関係を築きながら「またこの人にお願いしたい」と思われるホスピタリティ能力は、どの職場でも重宝される一生モノの武器になるでしょう。
最新トレンドの把握と情報発信力
変化の激しい美容業界で生き残るには、常に最新の知見を取り入れる「情報収集力」と、それを届ける「発信力」が重要です。最新のレーザー機器や成分知識はもちろん、SNSを介したセルフブランディング能力は、個人の集客力として強力なアピールポイントになります。
「発信力のある看護師」はクリニックの広告塔としての価値も高く、将来的なフリーランス、講師職への転身、またはマーケティング職へのキャリアチェンジにおいても大きな強みとなります。
マネジメント・組織運営能力
主任や師長、マネージャー職への昇進を目指すなら、チームをまとめる「マネジメント能力」が必須です。スタッフの教育やシフト管理、数値目標の達成に向けた戦略立案など、経営に近い視点が求められます。
美容クリニックは一般病院以上に「生産性」が重視されるため、現場のオペレーションを最適化し、円滑な人間関係を構築できるリーダーシップは高く評価されるスキルです。組織全体を俯瞰して動かせる人材になることで、キャリアの選択肢は一気に広がります。
美容看護師が知っておきたい復職支援研修
先述したように、美容看護師と病棟看護師では業務内容が大きく異なるため、美容看護師としての経験は病棟看護師における実務経験とみなされません。
病棟看護師へのキャリアチェンジを検討しており、いきなり臨床現場で働くことに不安を抱えている美容看護師にぜひ利用をおすすめしたい、復職支援研修についてご紹介します。
各都道府県のナースセンターが実施する復職支援研修は、現在病棟看護師として就業していない方を対象としています。病棟看護師としての復職に必要な看護技術や最新の医療、看護の知識について学ぶことができます。
自治体によって異なりますが、5日~1週間程度の研修を実施しているところが多く、無料で手軽に受講することが可能です。病棟へ戻るための準備期間に、ぜひ利用を検討してみてください。
美容看護師のキャリアに関するよくある質問
最後に、美容看護師のキャリアに関するよくある質問と、その回答を以下にまとめます。
キャリアアップに役立つ資格はありますか?
専門性を証明する民間資格の取得が非常に有効です。 特に以下の資格は、知識の裏付けとして評価されやすく、カウンセリングの説得力向上にもつながります。
- 日本化粧品検定
- スキンケアマイスター
- 美容薬学検定
- サプリメントアドバイザー
上記の資格以外にも、自身の職場で提供するサービスに関連する資格を取得することで、職場内での評価アップやお客様の満足度向上につながり、キャリアアップが目指せるでしょう。
役職に就かなくても給与を大幅に上げる方法はありますか?
「指名」と「成約」に特化し、インセンティブが充実した環境を選ぶことです。 マネジメント職に興味がない場合でも、特定の施術(注入系やアートメイクなど)で圧倒的な技術を身につけ、個人指名が取れるようになれば、役職手当以上のインセンティブを得ることが可能です。
また、SNSを運用して自分自身のファンを増やし、「自力で集客できる看護師」としてクリニックと交渉することで、ベースアップや特別手当を勝ち取る道もあります。
美容クリニックの現場以外で経験を活かせる転職先はありますか?
上記で美容クリニック専門の転職エージェントとして活躍する道を紹介しましたが、それ以外にも医療機器メーカーの「インストラクター」や「美容コンサルタント」への道があります。 現場での施術経験は、BtoB(対企業)のビジネスでも非常に重宝されます。
例えば、レーザー機器メーカーの学術担当として全国のクリニックに技術指導を行ったり、クリニックの立ち上げ支援を行うコンサルティング会社で現場のオペレーション構築を担ったりするキャリアです。これらは「土日休み」の勤務になることが多いため、ライフスタイルを変えつつ美容業界に関わり続けたい方に人気の選択肢です。
夢や生活に合ったキャリア設計をしよう
「きれいになりたい」というお客様の願いを叶える上で支えとなる美容看護師。体力的な負担は大きいものの、自分に合ったキャリアプランを見つけることで、年齢を重ねても長く活躍し続けることができます。
美容看護師としての経験を生かして一般病棟や他業種へ転職することも可能です。夢や目標、ライフスタイルに応じて最適なキャリアプランを取り入れてみてください。
美容看護師の他にも、美容業界に携われる職種は多数存在します。株式会社NBSでは、美容機器の導入を検討しているサロン様をサポートする様々な職種について募集を行っています。興味のある方は、ぜひこちらのサイトをチェックしてみてください。


