エステティシャンの魅力の1つとして、資格や経験がなくても働けることが挙げられます。一方で、若い女性が就く職業だというイメージが強く、年齢を重ねた方がエステティシャンとして勤務することに抵抗を感じるケースも少なくありません。
エステティシャンへの転職や復職を検討している方にとって、何歳まで働けるかどうかの目安や求人における年齢制限は、気になるポイントではないでしょうか。
そこで、今回のコラムではエステティシャンを目指す上で年齢制限はあるのかどうかについて詳しく解説していきます。年齢を重ねてもエステティシャンとして長く活躍できるキャリアプランについてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次エステティシャンは何歳まで働ける？
エステティシャンとして働く上で、はっきりとした年齢制限はありません。
体力的な不安要素やターゲットとするお客様やサロンの雰囲気に合わないといった理由から求人の段階で「40歳まで」というように年齢制限を設けるエステサロンもありますが、年齢を重ねたエステティシャンを求めているサロンも決して少なくありません。
年齢を重ねたエステティシャンのメリットについて、この後具体的に解説していきます。
年齢を重ねたエステティシャンの強み
年齢を重ねたエステティシャンには、以下のような強みがあります。
- 今までの経験を業務に生かせる
- 年齢層が近いお客様に好まれる
- お客様に安心感を与えられる
今までの経験を業務に生かせる
- 施術
- カウンセリング
- 物販
- 店内の清掃
- 会計
サロンに雇用されて勤務するエステティシャンの業務は、上記の通り非常に多岐に渡ります。エステティシャンとして働いた経験がある方はもちろん、異業種から転職する方も過去の経験を生かすことができます。
例えば、事務職の経験がある方は効率的な事務作業のノウハウをカルテの作成や売上管理に、飲食店での勤務経験がある方はお客様との会話術やマナーを接客やカウンセリングに生かすことが可能です。
それまでの人生経験を様々な形で生かすことができるのは、エステティシャンならではの魅力だと言えます。社会経験が豊富な方は教わった業務や知識をスムーズに習得でき、若いスタッフよりも早く戦力として活躍しやすい傾向にあります。
また、美容業界では、慢性的な人手不足が大きな問題となっています。十分な数のスタッフがいないエステサロンにとって、一人前のエステティシャンを育成するのは大きな負担です。教育の手間がかからない、年齢を重ねたエステティシャンは重宝されるでしょう。
年齢層が近いお客様に好まれる
昨今、日本では高齢化が急速に進んでいますが、美容業界も例外ではありません。そんな中で増加している、「いつまでも美しくいたい」という中高年の女性をターゲットとするエステサロンでは、ある程度年齢を重ねたエステティシャンが重宝されます。
肌や体型の悩みを抱えてサロンを訪れる中高年女性の中には、若いスタッフに対して気を遣ってしまい、悩みを打ち明けづらいと感じる方も少なくないでしょう。
年齢を重ねたエステティシャンは、「美しい肌を保ちたい」というお客様の悩みに共感でき、お客様との施術に関係のない会話も弾みやすいです。
お客様に安心感を与えられる
エステサロンでは、担当するエステティシャンのスキルや経験に関わらず、同じ料金で施術を提供することが一般的です。お客様の中には、同じ料金を払うのであればスキルの高いベテランの施術を受けたいという方もいるでしょう。
ベテランのエステティシャンは、他のスタッフにとっても頼れる存在です。施術スキルやカウンセリングだけでなく、お客様への細やかな気遣いについて後輩の良き手本となれることも、大きな強みだと言えます。
年齢を重ねたエステティシャンが苦労する点
年齢を重ねたエステティシャンはサロンにとって頼もしい存在となり得るものの、働き方によっては以下のような点で苦労することがあるのも事実です。
- 体力を激しく消耗する
- 採用の競争が激しくなる
体力を激しく消耗する
エステティシャンは、基本的に立ちっぱなしで勤務し続ける必要があります。特に、全身を使って施術するハンドエステを担当するエステティシャンには、体力的に大きな負担がかかります。
営業時間が終了しても清掃や事務作業をこなさなければならず長時間の勤務を強いられたり、休日が不規則、あるいは少ないケースも多いです。年齢を重ねるにつれて長時間の労働や力を入れた仕事を負担に感じ、離職してしまう方も少なくありません。
座って施術できるフェイシャルエステを中心に施術を行うなど、自分の体力に合わせて担当する業務を変更することをおすすめします。
採用の競争が激しくなる
体力的な負担が大きい、休みが不規則であるといった理由から、エステティシャンは離職率の高い職業の1つです。
エステサロンは長期的に働ける人材を求めています。同じスキルを備えたエステティシャンが2人いた場合、より若いスタッフを優先して採用したいと考えるサロンが多いです。
経験が浅く「スキル」を強みにすることが難しい方は特に、年齢を重ねるほど採用の競争が激しくなることに留意しておきましょう。
エステティシャンの求人で重視される点とは
ここからは、エステティシャンの採用において重視されるポイントをご紹介します。年齢に限らず、以下のような点をアピールすると良いです。
- 仕事に対するモチベーション
- 長く働けるかどうか
仕事に対するモチベーション
先述したように、エステティシャンには常に最新の情報をキャッチアップすることが求められます。
エステサロンに通うお客様の中には美意識が高く、美容に関する最新情報を日々チェックしている方もいるでしょう。最新の美容に関する質問を受けた際に的確な回答ができれば、信頼の向上につながります。
また、世間での流行に合わせて最新の施術メニューや美容機器を取り入れるサロンも多いです。新しいメニューを高い質で提供し続けるために、エステティシャンの日々のスキルアップは欠かせません。
日々変化するエステ業界に適応できることを示せば、サロン側に「欲しい人材」だと思ってもらえる可能性が高まります。美容に対する思いや仕事へのモチベーションをアピールすると良いでしょう。
長く働けるかどうか
エステティシャンの施術スキルは一朝一夕で身につくものではありません。カウンセリングや物販といった様々な業務も求められるため、エステティシャンとして一人前になるには1年近くかかると言われています。
せっかく雇ったスタッフにすぐ辞められてしまうと、代わりの人材を探さなければなりません。採用や育成に費やした時間やコストが無駄になってしまい、サロンにとっては大きな痛手となります。
近年は、エステ業界でも育休制度や時短勤務など、働く女性のライフステージの変化を支援する動きが広まってきています。一方で、「若いエステティシャンは結婚や出産を経て離職してしまうのではないか」と懸念する見方があるのも事実です。
年齢を重ねたエステティシャンの場合、子育てが落ち着いた、マイホームに住んでいて引っ越す予定がないといった長期的に働ける理由をアピールすると、採用に有利に働く可能性があります。
年齢を重ねても活躍できるキャリアプラン
エステティシャンとして長く活躍したいという方におすすめのキャリアプランをご紹介します。
- 所属サロンでのキャリアアップ
- 独立して自分のサロンを開業する
- 講師になる
所属サロンでのキャリアアップ
サロンに雇用されているエステティシャンの場合、営業時間のほとんどにおいて施術やカウンセリング、物販などお客様と直接関わる業務を行います。
しかし、役職者になると売上やシフトの管理、集客活動やスタッフ育成など、サロンの経営に関わる業務を中心にこなすことが多く、体力的な負担はかなり軽減されます。
お客様と直接関わる仕事とは違ったやりがいを感じることができ、新鮮な気持ちで業務に励むことができるでしょう。
独立して自分のサロンを開業する
自分のサロンを開業すれば、営業時間や定休日、雇用するスタッフの数について裁量を持って決めることができます。
ライフスタイルや体力に合わせて稼働時間を調整しながら働けるため、副業でエステティシャンとして働く方や子育てから復帰する方にもおすすめしたいキャリアプランです。
自分のサロンを開業して集客方針や規模を考えながら経営すると、決められた業務に取り組む場合とは違った楽しみを見出せるはずです。
講師になる
エステサロンや美容学校の講師としてキャリアを積むこともできます。美容系の専門学校やスクールで勤務したり、外部講師としてセミナーを開催したりと活躍の場が幅広く用意されていることは大きなメリットです。
多くのエステサロンが人材の育成に苦戦している現状や、最新の美容業界事情や施術スキル、美容機器について学びたいという意欲的なエステティシャンが少なくないことを考えると、エステ講師は美容業界全体でも求められている人材だと言えます。
熱意やスキルがあれば年齢は関係ない
体力的に負担の大きいハードな職業だと捉えられがちなエステティシャン。仕事に対する熱意やスキルを身に付け、自分をアピールする術や年齢を重ねても働き続けるためのキャリアプランを取り入れれば長く活躍することも可能です。
経験がある方も異業種からの転職を考えている方も、ご紹介したポイントを実践してエステティシャンとしての道を歩んでみてはいかがでしょうか。
エステティシャンの他にも、美容業界に携われる職種は多数存在します。株式会社NBSでは、美容機器の導入を検討しているサロン様をサポートする様々な職種について募集を行っています。興味のある方は、ぜひこちらのサイトをチェックしてみてください。
